東映デジタルセンターOPEN記念セミナー 映画プリキュアオールスター DX2 エンディングCGメイキング

これまでに最も感動したCGアニメ、プリキュアDX2エンディングのメイキングセミナーがあるってんで聴講しに、大泉学園東映まで行って来たー(^^)。
うむ、平日だけど休みをとって…アニメファン気分半分、好奇心半分、情報収集半分、仕事半分で、それぞれ軽い気持ちだけど合計すると気合が2倍になってしまって、実に楽しみなイベントだー(^^;。
自分のハンドルネームだけを知ってる人と、本名だけを知ってる人と、同じ場所にいるってのは少し危険じゃのー(笑)。
どうしよかと思ったけど、休みとって行ったんだから、ここにレポートしちゃうぞー。


まずの紹介はオープンしたばかりの東映デジタルセンターは、デジタルポストプロダクションまで全部できるようになったとなかなかの気合っぷりで、セミナー会場もほとんど映画館なXpanD方式で3Dにも対応した立派なシアター。
セミナーはまずテーマのプリキュアDX2のBD特典版映像上映から…部屋でBDで毎日のように観てるけど、改めて大きなスクリーンで観られたのは感動じゃのー(^^)。
さて、セミナーは概要にモーションキャプチャー中心のように書いてあったんだけど、そんなことなくて制作工程フルにメイキング話でめちゃ貴重だった!
まずコンセプトワークは、やっぱりこの派手さ楽しさは本編EDのようにダンスを紹介するだけでなくて、アイドルのコンサートをテーマにして、舞台は武道館のイメージに、最前列のワクワク感!
マイケルジャクソンやモーニング娘。やSPEEDを…リスペクト(笑)…フレッシュ組のダンスがSPEEDで他がモー娘。イメージらしい。
いやー、この映像にこれだけ魅かれるのは、少女アニメとポリゴン娘とアイドルという自分の好きな3大要素が全部てんこもりで入ってるからだわなー(^^;。
踊りながら飛んだり移動したり上空ステージだったり全体の進行や映像のイメージはすでにこのときにディレクターのラフ画にしっかり完成しててさすがだ…ここが行き当たりばったりが多いゲーム業界と違うな〜。
作り始める前に作るものが頭の中に完成しているべきなんだよ…。
キャラ設定は元々作品間の調整をして頭身高めになってる映画本編から、さらにダンスの見栄えのために高い頭身にしたとのこと。


で、コンサートのライブ感を重視して、絵コンテより先にダンスの制作…は、プリキュアミュージカルのダンサーにやってもらったとか。
その時は大勢でフォーメーションしてたけど、モーションキャプチャーは人数多すぎると破綻するので、6人(プリキュア5GoGo!チームが6人)で、後列メンバーは使いまわしたり決めポーズは3回に分けて撮ったり。
大人数だと位置取りが大変で、そのへんのノウハウはアイドル業界が詳しいんじゃないだろーか(笑)。
キャプチャーの時にアクターがキャラクターの色分けされたスカート(パニエ?)をはいてたのはへーとか思った。
動きがスカート意識したものになるし、キャラの見分けしやすいのー。
そんでだいたいキャプチャーデータが上がってからそれを使ってビデオコンテを作るという段取り。
普通にCGなビデオコンテだけどキャプチャーしない(飛んでたりしてできない)ところでは絵コンテが入る(笑)。
11月中旬に仮曲で作業始まって、ここまでで1月5日だとか…正月つぶれたっぽいね(^^;。


で、後はモーションを修正して〜揺れモノとかフェイシャルとか手とか動きつけてー…って、そこがきっとすごく大変だったはずなんじゃが説明はサラッと流された…気になるんですけどー(^^;。
ま、講演してる人は偉いし、CG作業は作画作業ほどは個性出ないもんなぁ…。
映画なんで動きは24fpsのはずだけど、ゲームCGの30fpsよりも遥かになめらかに見える理由が知りたいなぁ。
気合の入ったモデリングはCG WORLDにもあったけど正面顔斜め前顔重視で似せて、横は鼻のラインくらいを合わせるのみ…うんうん、アニメキャラポリゴンって横顔だと前髪で目が隠れちゃうんだよなー…2D絵だと前髪が勝手によけて目が見えてるのになー(^^;。
ライティングやシェーディングはやはり映像業界は全てAfterEffectsでコンポジットで調整するのね…キャラがカラー、輪郭光、服、輪郭線、ハイライト、シェード、髪ハイライト、肌の光沢…あたりだったかな?意外に枚数少なめで、ゲームのトゥーンシェードでも計算してる要素ばかりではあるんだけど、できあがりの品質が全然違う。
比較的物理的な計算からアニメ調に落としてくるアプローチと違って、まずシンプルな要素に分解しておいて、そこから映像の専門家が組み合わせて調整して頑張って絵作りをするというここがクオリティの源泉なんだろな〜。
レフ板とか、そもそもライティングは見た目重視で調整するものだわなー。
技術を使う方向性は、そのための多くのカットで多くのレイヤーを効率的にレンダリングするためのバッチ処理管理内製ツールが紹介されたりとか。
あと、女性スタッフが文字通りキャラにお化粧をするアイディアを出したそうで、頬の赤みや鼻のハイライトとかで色気が追加されてるってのも素晴らしい。
うむ、少女向け作品でも男がメインに作ってることは多いけど、「かわいいもの」をつくり出す能力はやっぱり女性が重要だわー。
ステージは17枚のコンポジットで、AE上で(ライブステージ照明な意味の)ライティング調整のリグが大変なことになってて、こりゃ本物のコンサートの照明さんのような仕事になったんじゃないかしら(^^;。


最後に公表された工数も興味深くて、本編ED映像、CD特典映像、新宿駅地下のポスター(うむ観に行った(^^;)、BD特典映像なども含めて、20人で7ヶ月!
しかも、モデリングモーションキャプチャーは外注(プランニング遊、MOZOO、QREAZY、サンジゲン、TAP)したのの工数は含まれてないっぽいなぁ…エンディングだけにこれだけのリソース投入してたとはびっくり!
なんて気合!…数分の映像に何億円の予算なプロジェクトだったんだー(^^;。
東映アニメ今後デジタル化に向けた本気を感じた。
やっぱりすごいものはちゃんとやってるわー(^^;。
最後に、おそらく東京国際アニメフェアで流してたっぽい3D立体視版を上映〜…またこれが今度はスクリーンで観られるとは!
元がカメラワーク派手すぎるのと、大スクリーンに最適化されてないので少々無理があったけど流行ってるからやっておかないといかんからのー(^^;。
後からカメラワークとかどの段階の編集もできるゲームと違って、手戻りがないカッチリしたアニメの手法だと後からの対応の難易度は高そうじゃの。
いやー…はやー…ふいー…どの半分にとっても満足ないいセミナーだった(^^)。


あと、オマケ企画で参加者には東映撮影所の見学ツアーも組んでくれるというサービスっぷり。
思いっきりデジタルな話の後に、しっかし映画の手作り感、セットの木の匂い、ものづくりのよさが。
なんとゴセイグレートの5人乗り込んだコックピットのセットやら、研究所のみんなが溜まってる部屋やらも見せてもらえた(^^)。
ここにみっきーにわみきほ)が通ってるんじゃなー(笑)。


いやー充実したわ〜…貴重な機会、東映様ボーンデジタル様ありがと(^^)。


2010年08月04日のツイート